TOKYO ART
& ANTIQUES

東京 アート アンティーク 〜日本橋・京橋美術まつり 2017

4.14( 金 ) , 4.15( 土 )

店主インタビュー 西川美術店( 2011 年)

西川美術店

西川英治氏

Q こちらのお店をオープンされたのはいつ頃ですか?

A 2001年の11月です。それまでは翠竹堂さんで10年近く働いておりました。

Q 元々骨董に興味があってこの世界に入られたのですか?

A 骨董というか、美術全般に興味がありますね。古いものも子供の頃にちょっと見てたのもあるのですが、翠竹堂が古美術を扱っていたというのが大きいかもしれませんね。

Q 今は基本的に骨董の中でも扱っているものは?

A うちは中国美術だけですね。紀元前と紀元後のものがあると思うんですが、うちは基本的に紀元前のものは扱わないで、中心は唐から清朝までとしています。

Q 美術以外で集めているものやはまっているものは何かありますか?

A 最近はあまり無くて、仕事に専念していますね。たまに家具を見ますね。一番最初は家具関係の仕事についていたのと、大学の時に西洋アンティークの家具屋さんでアルバイトしていたんですよね。それもあって、家具は割と見てますね。

Q みなさん色んなところに行かれていますが、出張されるというのは売りにいくのですか?それとも商品を仕入れに行かれるのですか?

A 両方ですね。売りにいくところはいくつかあるので、それと買いにいくところも。オークションが割と多いですけれども。世界中でやっていますので。基本的に中国美術は、日本国内もあることはあるのですが、質のいいのがヨーロッパとアメリカに多いので、チャンスがある時はそっちに行って買うことがありますね。最近は中国美術があまりにも高騰しているのであまり買えないというのはありますけど。

Q ご出張はアジアも多いのでしょうか?品物の保存状態はどうなんでしょうか?

A まず、中国は原則出せないということになっていて、できなくはないんだけど、古くてもあまりきれいなものが少ないのと、偽物が多い。今日本の美術館にあるいい中国美術も3、40年前にヨーロッパから買って来ているものもあるし、あとは戦前日本の方が中国に行って買って来ているものが結構あるんですよね。戦前のものは日本人が直接買って来ているので別だけれど、戦後になると割とヨーロッパに行って買って来ているので、ヨーロッパ人のフィルターを通して入っていて、ヨーロッパ的なセンスのあるものもありますし、感覚がちょっとちがいますね。アジアでは行くとしたら香港ですね。中国は美術館ですね。結構展覧会を色々とやるので勉強のために行くと。あとは、買うときはヨーロッパ、アメリカ、日本。その3つですね。

Q 偽物はすぐにわかるんですか?

A まあ、欲目で見なければ。買って儲かるな、と思いはじめるとだいたい見誤ることが多い。

Q それだけ精巧に出来ているということですか?

A それもあるし、人間の欲があると良く見えちゃうんですよ。例えば、500万で売れるものが5万円で売られていたら、普通の人ならおかしいと思うじゃないですか。でも中には、儲かるなと思う人もいるわけです。そうするとね、冷静だとわかるんだけど、冷静になっていない時は、「ま、いいかな」って。その「ま、いいかな」というのがものすごく危ない。5万円ですめばいいけど、500万で売れるものが200万で売られていて、300万儲けがあると思ってハッと買おうとする気持ちが出るとものすごく危ないかなと。

Q やっぱり素人だとわからないし、後で偽物だとわかったらショックですね。

A 自分も結構経験ありますので、それは泣きますよ(笑)。自分の力がないっていうことがよくわかります。まあ、恐い世界ではありますね。あともう一つは、誰も証明はできないですよね。それも恐いところではあります。一応皆がいいと言ったものをずっと伝承して来ているからそれを引き継いで来ているけれども、最初の教えがちがうとそこからずれていくから。あまりこう言うと誰も入ってこなくなるかな(笑)。

Q 品物を選ぶ時はどういったことを中心に選ばれるのですか?

A 自分のモットーとしては形のきれいなもの。見てきれいなもの。あとは歴史的な資料的価値があるもの。そして現代空間に合うもの。その三つを柱としています。要は古美術の中でも、きれいはもちろん重要な要素なんですが、一つはきれいかどうかというより多少は歴史的に資料価値のあるものをやる。もう一つは現代的な空間に置いて合う古美術品ってあるので。

Q 最後の現代的な空間に合うというのは、お客様のご自宅に置いて欲しいという思いがあるのですか?

A そうですね。代々受け継いだ家なら別ですけれども、僕らの年代で家を買うとだいたい現代的な空間なので、そういうところに置いて楽しんでもらえるような古美術品というのをひとつ柱としていますね。これは人それぞれの感覚なので、受け入れられるかどうかはまた別ですが。

Q 西川さんのディスプレイを拝見していると、とてもクリアというか、美しく見せるというこだわりが印象的なのですが。

A ものがないからどうやって勝負しようかって考えているから(笑)。気持ちとしてはアートフェア東京以外にも出したいのだけど、ものを集める方が大変で。画商さんだったら描いてくれと言えるかもしれないけど、僕らは作ってくれとは言えないですからね。

Q 古美術の世界では品不足だと感じますか?

A 今値段が上がって来ているので、値段が上がるとどんどんものが出てくるんですよね。コレクターが売り時だと思って。そういう意味では世界中のオークションとか業者さんの売り物を見ると、無いということはないんです。だって今度やるクリスティーズの中国美術のカタログにはものすごくたくさんあるんです。だから無いというよりは値段が上がってきて買いづらくなってきたということじゃないかな。あとテイストもデコラティブなものが多くて、日本人がポツンと置く感じのものが少ない。基本的にミニマルなものが好きですからね。中国美術でも言葉としてチャイニーズミニマルというのはありますから。今はちょっと逆を行ってるけど、選べばいい素材のものもあるし、ミニマルで奇麗で、現代アートのミニマルと合うものはかなりあると思うんですよね。テイスト的には中国の焼き物とか中国美術全般の中にそういう要素はあると思います。今の住宅はミニマルな空間が多いと思いますし。

Q 現代美術の作品大きいと値段が上がるということがありますが、古美術は大きさによって値段が変わることはあるのですか?

A 小さいので何億というのもありますよ。あと時代によりますね。今から2、30年前までは小さくて可愛くて奇麗なものの方が高かった。というのは世界的に小さいものが好きな方が多いのと、大きいものは以外とかさばるからそんなに人気はなかったんだけれども、最近は中国美術は中国人が買いに入っているというのもあって、基本的にデコラティブな、家に飾る目的で買われる方が多いので、それプラス投資で買ってる方も多いので、ある程度かさがある方が値段が高くなりやすいというのはありますね。小さいものに関しては一部のものを除けば、そんなに上り下がりがないですね。

Q お客様層としてはどれくらいの年齢層の方が多いのでしょうか?

A 客層は自分より上の方がほとんどですね。古いものに関しては自分より上の方から買うというよりは自分より若い人から買うという方が多いのかもしれないですね。だから希望としては自分より若い方に来てもらいたいですし、あまり難しく考えずに自分の好き嫌いだけで楽しんでもらっていいと思うんですけどね。

Q 最後に東京 アート アンティークに御来店いただくお客様に一言。

A 古美術を身近に感じていただければ一番いいと思います。さっき言った現代空間に合う古美術品というのも自分の集める要素としてはあるのですが、ご自宅に飾って楽しんでいただけるようにと思って探しているので、買う買わないは別として日々の生活に取り入れていただくような目で見ていただければ楽しんで頂ければと思います。なかなか古いものに出会うことってないですし、美術館に行けば見られますが、実際に買うことの出来るものを見るというのは普段はあまりないとおもいますのでね。また色々なお店を廻って、これはいいとかこれは悪いとか自分なりに楽しみながらみていくのも、それはそれで有意義な一日を過ごせると思いますので、楽しんでいただければと思います。

お忙しい中、ありがとうございました。

(2011年3月)

西川美術店

※2014年銀座へ移転

http://home.att.ne.jp/red/chineseart/

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