Although the scenery changes, the warmth remains in the town of Kyobashi


北原照久
僕は京橋生まれ、京橋育ちです。生まれてから結婚して家を出るまで……30年近く住んでいました。実家はスポーツ用品店と喫茶店。小学生時代からずっと買い物のお手伝いをしていますから、街のことはくまなく知っています。
京橋には当時から骨董品屋さん、アンティークショップも多く、僕はそういうお店に入っては、珍しいものを見せてもらっていたんです。なかでも『古典屋』というお店によく遊びに行っていたのですが、鳥カゴの時計、目玉時計、古いレコードなど、看板には生活骨董とあり、今でいうリサイクルショップのはしりですね。その他にも、京橋には骨董店、ギャラリーなどがたくさんあり、子ども時代の僕に様々な文化を教えてくれた気がします。
結果的に“ほんものを見る目”を育ててくれた。そんな場所です。
1950~1960年代のことを少し話すと、京橋から富士山が見えていたんです。東京駅から遠く、夕日に輝く山影の美しさは今も目に焼き付いています。汽車のための石炭置場があったり、小学生が伝書鳩を飼っていたり、都電が走っていたり、そんな時代もあったんですよ。
街が変貌したのは「東京オリンピック」(1964年)あたりから。鉄筋のビルが立ち並び、小さな商店が姿を消し、ビジネス街へと変わっていきました。でも、京橋が特別だと感じるのは、時間の流れがどこかのんびりしている、ということ。これはこの土地の持つ性格なのかもしれません。
近隣の街から京橋にくると、ホッとするような感覚を覚えるはずですよ。街に勢いがあるのに、人に温かさがある、義理と人情が色濃く残っていると感じます。僕は戦後復興期、高度経済成長、バブル崩壊と、激変の時代を京橋で過ごしました。そんな時代でも、街には“温かさ”が残りました。これから時代が流れても、今までのように“京橋の温かさ”は連綿と街に受け継がれていくと信じています。
古いもの、伝統をとても大切にしている街であり、同時に新しいものも受け入れ、未来も大切にする街だと思います。
誰かがではなく、街全体が新旧を上手く共存させているようです。
京橋はまさに歴史と未来の交差点。
そんな京橋に、昨年11月、再開発によって京橋エドグランが誕生しました。京橋の魅力を受け継ぎながら新たな賑わいが生まれるまちづくりを行っています。実は僕のコレクションの一部も地下とエレベーターホールのショーケースに展示しています。3~4月には、ミニチュアコレクションを展示します。複数の作家の作品は、どれも細部までこだわった作りで見応え充分。期待してください。
今回、東京アートアンティークのイベントで、14日(土)19時から「コレクションの愉しみ」と題して僕が話し、15日13時から13時45分まで鑑定団でおなじみの洋画の永井龍之介先生、引き続き14時から14時45分までは西洋アンティークの阿藤芳樹先生がトークをしてくださいます。またその後はお二人同時に登壇頂き、ご参加の皆様からの質問にも答えていただくような時間も作っています。楽しみにしてください。
これから京橋が中心となってさまざまな情報を発信することも増えるでしょう。僕の故郷でもある京橋に興味を持ってくださったら、ぜひ足をお運びください。
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