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海老塚耕一展 ―未完の断片が息づく場所

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翠波画廊

日本現代アートの核心に触れる

いま、日本の現代アート史が大きく動いています。

木、石、鉄、水──人類が古代から向き合ってきた素材に、圧倒的な静けさと緊張を宿らせる彫刻家・海老塚耕一。
その名は国内外の美術館が繰り返し指名するほどの権威を持ちながら、作品市場では「今が最も手に届くタイミング」と言われています。

そして今冬、翠波画廊で開催する特別展示会は、
“ポストもの派”を代表する巨匠の芸術を、あなた自身の視点で体験できる数少ない機会です。

 

12月13日(土)トークイベント開催決定!

翠波画廊での初個展を記念し、海老塚耕一氏によるトークイベントを開催いたします。
美術史において「もの派」の系譜を継ぎ、現代アートの最前線で活躍してきた海老塚氏。その思考や視点に触れられる貴重な機会です。
海老塚氏の語りからは、常に新たなものの見方を発見させられます。
今回のトークイベントで、海老塚氏の制作への想いやアートに対する姿勢を通じて、お客様に新たな視点や気づきをもたらす良いきっかけとなりましたら幸いです。
ぜひお気軽にご参加ください。

【海老塚耕一 トークイベント】

2025年12月13日(土)16時~
会場:翠波画廊 東京銀座店
参加費:無料
※ご予約制(定員20名様)公式ウェブサイトよりお申し込みください。
https://www.suiha.co.jp/information/ebizuka_koichi_exhibition/

 

なぜ今、海老塚耕一なのか。ー国内外で高く評価される才能

独創的な造形と静謐な感性によって、日本を代表する美術家の一人として評価される海老塚耕一。そして近年、海老塚の評価は確実に上昇しています。

・公立美術館が次々と作品を収蔵している
(東京国立近代美術館、神奈川県立近代美術館、富山県美術館 他)
・横浜美術館(2025年12月6日〜)での大型展に出展決定
・国際展での最高賞受賞
–インド・トリエンナーレ〈金賞〉
–アジアンアートビエンナーレ〈最優秀賞〉
・日本彫刻界の最高権威「平櫛田中賞」受賞
・多摩美術大学教授として長年後進を育成


これは、美術史において“本質的価値が認められた作家”にしか起こらない現象です。

さらに後進の育成にも力を注ぎ、教育者としても後のアーティストたちへ大きな影響を与えてきました。

現在も第一線で活躍を続けており、12月6日から横浜美術館で開催される企画展「いつもとなりにいるから 日本と韓国、アートの80年」への作品出展が予定されています。最新の美術動向との接続が途切れることなく、今なお進化し続ける稀有な作家です。

 

公共空間にも息づくアート

美術館やギャラリーでの展示に留まらず、公共空間でのプロジェクトにも海老塚の表現領域は広がっています。
大阪御堂筋・明治生命館や梅田のハービスプラザエントをはじめ、公共施設やホテルなど多様な場においても作品が設置され、多くの人々の日常にアートの価値を届けています。

数々の受賞歴・展示歴を持ちながら、小品は比較的手頃な価格帯であることも魅力の一つです。
そこには「若い人にも日常的にアートに触れてほしい」という作家自身の想いが込められています。

そしてもうひとつ大切なこと。
美術館が次々に収蔵を決めているアーティストの作品は、長期的に必ず価値がついていきます。
にもかかわらず、海老塚作品は現在、“作品の質”と“市場価格”のバランスが最も良い、いわばボーナスタイムの真っ最中と言えるのではないでしょうか。

 

境界のゆらぎを見つめて

1960年代末の日本で展開した「もの派」の流れを汲み、李禹煥や菅木志雄から影響を受けながら、海老塚耕一は木・石・鉄といった重厚な素材を用い、独自の造形表現を築いてきました。
長年にわたり関心を寄せてきたのは、境界や端、限界といった、人や自然のあいだに揺らぎながら存在する領域。その関係性を探る試みが、海老塚作品の根底にあります。

1980年代には主素材として木を扱い、俯瞰性の彫刻を一つの軸として《連関作用》シリーズ等を展開。1990年代以降は「境界」「端」「限界」への関心を深めていき、彫刻に止まらず版画作品にもその表現を広げていきました。
素材や場といった、作品を構成するものの声に耳を澄ませながら形づくられる作品は、作家の思考の軌跡が潜み、見る者の内側に問いを投げかけます。

 

思考を耕すアートを

海老塚は「作家が語るコンセプトが最も正しいとは限らない」と話しますが、その言葉の通り、彼の作品には解釈の余白が大きく開かれています。
重厚な素材の奥に繊細な意識の層が息づき、見る側の意識の変化によって作品そのものの姿もわずかに揺らぎます。その可変性こそが、海老塚が長く探求してきた「境界」のテーマと深く響き合う部分でもあります。

日常の中で海老塚の作品と向き合う時間は、自身の思考や感覚の輪郭を静かに磨き上げていく行為でもあります。海老塚の彫刻は、所有者の意識とともにゆっくりと深まっていきます。長い時間をかけて対話し、自らの思考を耕すように付き合えるアートとして、日々の暮らしに確かな広がりをもたらしてくれるはずです。

まずは作品の前に立ち、圧倒的な静けさを体験してください

今回の翠波画廊の展示販売会では、作品写真では絶対に伝わらない“空間の震え”のような感覚を、その目と身体で感じてください。

芸術性と将来価値を兼ね備えた日本現代アートの中核。
いま、あなたのコレクションに加えるべき作品がここにあります。

 

海老塚耕一より、本展に寄せて

多くの表現において「もの」は材料として捉えられ、「場」も空間として理解され、それらが忘れ去られている現在、作り手が主体であり主役となっています。
止まれ、はたして美術家は主体であり、主役であるのでしょうか。
こう思います。美術家は、「もの」と「場」の記憶に結びついた存在の記憶を注視し、大切にしなければならないと。
そう、内なるものと外なるものは差異と差別の出発点である「弱さ」を考え表現する作り手でいたいと、思うわけです。
弱さが存在するからこそ、私を含めた鑑賞者が接触の都度に、ひとつの異なった実体が生み出されていくのですから。あたかも「黄昏時」のように。
だからこそ、毎日庭に佇み、山を散策するわけです。

―海老塚耕一
(本展への寄稿文より一部抜粋)

 

海老塚耕一氏による本展への寄稿文は、近日中に翠波画廊アートコラムに掲載予定です。
公式ウェブサイトよりご確認ください。

https://www.suiha.co.jp/information/ebizuka_koichi_exhibition/

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