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今村均白磁展

(終了) -
ギャラリーこちゅうきょ

三川内焼は必ずしも知名度の高い焼物とは申せぬと思いますが、知る人ぞ知る味わい深い作品を生み出して参ったのであります。こう申しますと多少我田引水の咎めを受けることになるかもしれません。と申しますのは、三川内焼は私の十五世の祖、肥前平戸松浦家二十六代法印鎮信が、秀吉の朝鮮出兵に同道し、その終了後に連れ帰った熊川の陶工達により始められた陶業であり、各代の藩主の意向を受けて平戸藩窯として発展して参ったという経緯があるからであります。陶工達は李朝の白磁を再現することを目標に苦心を重ね、良質の陶土、陶石の発見を経て、三川内焼の一大特徴である純白のしかも温かみのある磁膚を得るに至ったのであります。その膚に繊細、時に意表をつくような大胆な絵柄、特に三川内独自の唐子絵等を巧妙な筆運びを以って描いた呉須絵を特徴としています。その他、細工物にも他の焼物に見ることのできぬ緻密さを誇っています。旧藩時代より続く武家茶道の一派、鎮信流を主宰する私にとり、三川内焼はなくてはならぬものであります。その伝統の基礎を創った陶工の一人、今村如猿を祖に持ち、その風を今に伝えるのが今村均氏の平戸窯悦山であります。百聞は一見に如かず、氏の作品をご覧になることを是非お勧めいたします。

平戸松浦四十一世 松浦 章

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