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佐々木萌水個展「巡って昇る」

(終了) -
ROD GALLERY

この度 RODGALLERY では佐々木萌水の個展を開催いたします。
2024年の展覧会「街の貝殻」に続き、弊廊では二度目の個展となります。
京都の川に眠る陶磁器やガラスなどのカケラを拾い集め、漆でつなぎ合わせて生まれる新たな姿。
佐々木氏の手によって紡がれた作品を、ぜひご高覧ください。
詳細は以下のとおり。


 
カテゴライズされることで安心を得ようとする風潮が、昨今ますます強まっているように思う。
 
性格や見た目、さらには色分けされた推し活などもそうだ。個々の存在が何らかのカテゴリーに自らを当てはめることで、所属による安堵と後ろ盾、そしてある種の肯定感を得ているのだろう。
 
佐々木さんは漆によって陶磁器のカケラを繋ぎ作品を制作しており、近年では器の高台に川で採取した小石を組み合わせるなど、表現の自由度を広げている。
 
この度DMにも使用された坏は、正倉院に収められた瑠璃坏の様式を元に作られている。その瑠璃坏はガラス部分を西方(ペルシャ付近)、金属の脚部分を中国で制作したという説があり、日本に伝来したとされている。
 
工芸は分野ごとに厳格にカテゴリー分けされ、美術と工芸という大きな区分でも分断されがちである。佐々木さんはそうした区分に違和感を抱く。「繋ぐ」行為を基盤にしながら、日々の思考を通じてより自由な表現へと展開しているのだ。
 
その作品は古典なのか、現代表現なのか。工芸なのか、美術作品なのか。
 
カテゴライズは安心をもたらす一方で、カテゴライズしがたいものは不安定さを孕む。けれどもその揺らぎの中にこそ、未知への可能性を秘めた静かな実験と、「個」が立ち上がる強さが潜んでいるのではないだろうか。

 

RODGALLERY 藤田つぐみ
 


 
街中の川に落ちている器などのカケラを拾って、漆で繋ぎ合わせて作品を制作しています。
 
川底に忘れらていた人々の営みと、器たちの素材も地域も時間をも超越していく力を表現したいと思っています。
 
佐々木 萌水

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