2026.1.26

『京橋アート・アベニュー』第30回 人形町から世界へ!小山登美夫さんが語る、京橋のアートの街としての記憶

中央エフエムHello! Radio City「京橋アート・アベニュー」
第30回 2025年12月19日放送
出演者 小山登美夫ギャラリー 小山登美夫さん
ナビゲーター:JUMIさん

*本記事は中央エフエムさんに許可をいただき、収録内容を書き起こして編集したものです。

 

  

京橋は庭!人形町出身、小山登美夫さんの原風景

 

JUMI
ハローラジオシティ 京橋アートアベニュー。今回は京橋1-7-1にあります、小山登美夫ギャラリーの小山登美夫さんにお越しいただきました。小山さん、ようこそお越しくださいました。

 

小山
ありがとうございます。

 

JUMI
京橋アートアベニューには初登場となりますが、実は小山さん、京橋という街には昔から馴染みがあるそうですね。

 

小山
はい、昔からよく知っています。

 

JUMI
ということは…… 小山さんのご出身はどちらなのでしょうか。

 

小山
実は、中央区の人形町で、酒屋の息子として育ちました。今、美術の仕事、ギャラリーを経営して絵を売る仕事をしていますが、銀座には多くのギャラリーがあるのはもちろんのこと、京橋にも昔はたくさんのギャラリーがあったんです。現代美術、いわゆる若手のアーティストを扱っているギャラリーが京橋には多くありました。映画も好きだったので、当時は国立フィルムセンターという名前だったと思いますが、今の国立映画アーカイブにもよく通っていました。当時は100円くらいで入場できたので、人形町から自転車で日本橋や京橋、銀座のギャラリーを巡っていました。

 

JUMI
何と何と!地元でいらっしゃるんですね!

そのようなお話を今まで伺ったことがなかったので、今日は小山さんに京橋のラジオにご出演いただけて、本当に嬉しいです。今日のメッセージテーマは「今年一番嬉しかったこと」なのですが、小山さんにとって今年一番嬉しかったことはどんなことでしょうか?

 

小山
美術のことについて話そうかとも思ったのですが、昨日まで沖縄の小浜島に滞在していました。そこで初めて野生のナナフシを見て、少し触ることができたのが、とても面白かったです。

 

JUMI
ナナフシに触れたのですね!

 

小山
触れました。とても細くて、雨が降ってきた時にガラスに止まったので、少し触ったら水にはまってしまい、助けてあげました。

しばらくしたらどこかへ行ってしまったので、無事だったのだと思います。

 

 

佐賀町、六本木、そして京橋へ:小山登美夫ギャラリーの軌跡

 

JUMI
そんな繊細な一面をお持ちの小山さんに、今日はお話を伺えるということで、とても嬉しく思っています。京橋の他に、六本木や天王洲にもギャラリーをお持ちですが、京橋という街の雰囲気や印象はいかがですか?

 

小山
京橋は以前からよく来ていた場所なので、とても馴染みがあります。今はアーティゾン美術館と呼ばれているブリヂストン美術館があったり、美術に関わっている人にとっては誰もが知っている場所だったりします。また、骨董屋さんもたくさんありますよね。子供の頃、骨董屋さんは少し怖くて入れなかったのですが、ギャラリーはオープンな雰囲気でした。大分銀行という銀行があったのですが、そこの地下にアキラ・イケダ・ギャラリーという名古屋のギャラリーがあり、最先端の現代美術を海外、日本のアーティスト問わず紹介していて、とても面白いギャラリーでした。

 

JUMI
今の小山さんのギャラリーのようですね。

 

小山
いやいやもっとすごいんです。彼らが日本の美術界の一つの方面を大きく変えたと言っても過言ではないギャラリーで、そこのスタッフから巣立ったギャラリーの人もたくさんいます。京橋には、南天子画廊や金子アートといった素晴らしいギャラリーもありますし、本当に良い場所だと思います。

 

JUMI
若い頃から、自転車で巡って刺激を受けていたのですね。

 

小山
ええ。実家が酒屋だったので、ビールを運ぶような頑丈な自転車でよく回っていました。三越の前の八木長ビルにはツァイト・フォト・サロンというギャラリーもありました。現代美術を扱っている美術館はまだ少なかったので、ギャラリーを巡るしかなかったんです。

 

JUMI
登美夫少年は、そうした場所を見て歩き、上野の東京藝術大学に進学されたのですね。

 

小山
そうです。母に藝大に行くと伝えたら、冗談だと思ったみたいですが、運良く入学することができました。当時は年間の学費が18万円だったので、親孝行だったと思いますが、学部で6年も過ごしてしまいました。

 

JUMI
学びが多かったということですよね。その頃には、美術だけでなく音楽も楽しまれていたと伺いました。

 

小山
音楽はあまり得意ではなくて、中学、高校時代は落語研究会に所属し、落語をよく聴いていました。美術や映画、演劇もよく見ていましたね。大学に入ってから、同級生に三田格という人物がいて、彼が音楽について色々と教えてくれました。

パブリック・イメージ・リミテッド(P.I.L.)というバンドを教えてもらい、渋谷公会堂にライブを見に行きました。

 

JUMI
渋谷公会堂!すごいですね!

 

小山
そういう風に教えてもらいましたが、音楽は今でもよく分かりません。

 

 

パウロ・モンテイロ:ブラジルから世界へ羽ばたくアーティスト

 

JUMI
小山登美夫ギャラリーは、多くのアーティストが目標とする場所だと思います。京橋に至るまでのヒストリーについて教えていただけますでしょうか。

 

小山
大学在学中に、銀座八丁目のクラブでアルバイトをしていたのですが、そこで知り合った先輩が働いている西村画廊というギャラリーで、展覧会の手伝いをすることになったのがきっかけです。西村画廊は、舟越桂さんや横尾忠則さん、中西夏之さんといった素晴らしいアーティストを扱っていて、とても良いギャラリーでした。そこでアーティストの資料を見たり、学芸員の方々と話したりしているうちに、美術の世界にのめり込んでいきました。

 

JUMI
ありとあらゆる知識を吸収されたのですね。

 

小山
その後、銀座のクラブのアルバイトを辞め、ギャラリーの仕事に専念し、昼間は他のギャラリーを見て回るようになりました。

 

JUMI
そして今に至る、ということですね。では現在、小山登美夫ギャラリーではどんな展示があるのでしょうか?

 

小山
今、京橋の小山登美夫ギャラリーでは、パウロ・モンテイロというブラジルのアーティストの個展を開催しています。

 

JUMI
小山さんにとって、パウロ・モンテイロさんの魅力はどんなところですか?

 

小山
アートフェアという見本市で、ブラジルのギャラリーであるメンデス・ウッドというギャラリーが出展していたパウロ・モンテイロさんの作品を見て、とても面白いと感じたのがきっかけです。

ギャラリーのスタッフと話をして、ぜひ個展を開催したいということになり、メンデス・ウッドに話を持ちかけたところ、たまたまそこに居合わせた大塚のミサコ&ローゼンのジェフリーと美沙子ちゃんも展示したいということで、共同で開催することになりました。

ブラジルのアートというと、サンバのようなイメージがあるかもしれませんが、パウロ・モンテイロさんの作品は、コンセプチュアルというよりは、絵画や彫刻といったオーソドックスな表現方法を用いています。

 

JUMI
どのような作品なのでしょうか?

 

小山
粘土のような素材を切ったり曲げたりして、抽象的な形を作っています。パウロ・モンテーロさんは漫画が大好きで、作品にはどこかコミカルな要素が含まれています。トムとジェリーのように、ありえないことが起こる漫画の面白さを、物体や絵で表現しているようなところもあるかもしれません。色や形など、様々な要素を組み合わせて、ブラジルというイメージとは異なる、新しいアートの世界を表現しているアーティストだと思います。アメリカや韓国など、海外でも人気のあるアーティストです。

 

JUMI
ぜひ皆さんに見に行っていただきたいと思います。小山登美夫ギャラリーは、TODA BUILDINGの3階にありますので、ぜひお越しください。

 

小山
少し分かりにくいのですが、東京駅方面にあるカフェTokyo8分の近くのエレベーターで3階までお越しください。

 

JUMI
ぜひ皆さん、お越しください。本日は、小山登美夫ギャラリーから小山登美夫さんにお越しいただきました。小山さん、ありがとうございました。またのご出演をお待ちしております。

 

小山
ありがとうございました。

 

 

小山登美夫ギャラリー:https://www.tokyoartantiques.com/gallery/koyama-tomio/

 

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